贈与税を払うことは相続税の前払い?

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名古屋市西区の税理士・公認会計士の後藤隆一です。

贈与税は高い税率が適用されるため、贈与を避けるべきという意見もあります。しかし、贈与税を払うことで相続税の前払いになるだけで、結果として損になるわけではありません。このことを具体的な設例を用いて説明します。

設例

田中さん(60歳)は、財産の一部を子どもに生前贈与したいと考えています。田中さんの総財産は1億円で、贈与する金額は1000万円です。田中さんには配偶者も子どももおり、相続税の基礎控除額は4200万円です。

子どもは18歳未満とします。

贈与税の計算

贈与税の基礎控除額は110万円なので、課税対象額は1000万円 – 110万円 = 890万円です。これに贈与税率を適用すると以下のようになります。

課税価格税率控除額贈与税額
890万円40%125万円890万円 × 40% – 125万円 = 231万円

相続税の計算

もし田中さんが生前に贈与をせずに亡くなった場合、相続税の基礎控除額を差し引いた課税価格に対して相続税が課されます。

  1. 総財産: 1億円
  2. 基礎控除額: 4200万円
  3. 課税価格: 1億円 – 4200万円 = 5800万円

相続税の税率は以下のようになります(子ども1人に全額相続する場合)。

課税価格税率控除額相続税額
5800万円30%700万円5800万円 × 30% – 700万円 = 1040万円

生前贈与後の相続税計算

生前に1000万円を贈与した場合、残りの財産は9000万円になります。

  1. 総財産: 9000万円
  2. 基礎控除額: 4200万円
  3. 課税価格: 9000万円 – 4200万円 = 4800万円

この場合の相続税額は以下の通りです。

課税価格税率控除額相続税額
4800万円30%700万円4800万円 × 30% – 700万円 = 740万円

総合評価

贈与税(231万円) + 相続税(740万円) = 971万円

相続税のみの場合の税額は1040万円ですので、贈与をすることで相続税の総額が減少することがわかります。

結論

贈与税を払うことで、相続税の前払いに過ぎない場合もありますが、結果として総合的な税負担が軽減されることがあります。このため、贈与を適切に活用することで相続税対策として有効になる場合があります。

これにより、贈与税が高いからといって贈与を避けるべきとは一概には言えず、個々の状況に応じた適切な税務計画が重要であることが理解できます。

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